警察に行方不明者届(旧:捜索願)を提出しても、重大な事件性や、人命に関わる危険性がない限り、積極的な捜索は期待できません。
近年では、携帯電話・インターネット・SNSの普及により、誰とでも簡単に接点をもつことができる時代となりました。
中高生の少女が寝泊まり先を求めてSNSに書き込む、いわゆる「神待ち」行為から未成年者の誘拐に繋がるケースや、マッチングアプリから違法薬物の使用・強制売春など犯罪に巻き込まれるケース、成人男性あっても、目先の金銭を求め、裏サイトからオレオレ詐欺の受け子や集団犯罪組織に属してしまうケースなど、多種多様な事例が見受けられます。
家出は一刻も早く探し出すことが重要であり、時間が経つにつれ、現在残っている足跡も次第に途絶えてしまう可能性があります。特に、本人の部屋や職場に残されたコンピューター、機種変更後に放置されていたスマートフォン、通帳、ポイントカード、会員証、レシート、ゴミなどに手がかりが残されている事例も多くありますので、現状保存が大切です。
家出から1日でも早い調査が発見に繋がり、遅くなるほど生命の危険にかかわることもあります。また、発見後に家出を再発させないよう、原因究明とご家族の協力・理解が最も重要となります。
警察庁が令和元年に発表した「令和元年における行方不明者の状況」統計によると、行方不明者(届出受理者のみ)は86,933人でした。性別では男性が55,747人(全体の64.1%)、女性が31,186人(同35.9%)でした。また、年齢別では10才代が15,572人、20才代が17,852人で、10~20才代の若者層だけで全体の約4割を占めています。
当「家出人相談センター」にて取り扱われた事案の傾向としても、若年層の学業問題(進級、留年、進路不安など)や、新卒入社後、職場における人間関係の悩みや将来への不安に起因する無計画な逃避など、若年層の家出増加が顕著に認められます。また、令和2年から猛威をふるい続ける新型コロナウイルス感染症に伴う社会情勢の混乱から、さらなる失踪者の増加が見込まれ、将来を悲観した小中学生による自殺が増えているという、にわかに信じられないようなニュースすら報じられています。
親兄弟はもちろん、周囲の友達や同僚など、誰にも打ち明けられない、なかばパニック状態に至ってからの行動は、短絡的な思考かつ自暴自棄になりがちです。まずは、優しい手を差し伸べての1日も早い発見、保護が急がれます。
一人でも多くの人が一日も早く健全な社会生活に復帰できることを願い一生懸命応援いたします。
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